奈良 世界遺産 古都奈良の文化財を巡る vol.2 Around the cultural property in Ancient city Nara

1993年に登録された「法隆寺地域の仏教建造物」は、日本で最初の世界遺産です。
その5年後に「古都奈良の文化財」として施設・史跡・天然記念物など8資産が、
新たに世界遺産に登録されました。
登録された8つの文化財は、「国宝建造物があり、敷地が史跡に指定されている資産」として、前回ご紹介した3つのお寺、東大寺、興福寺、唐招提寺の他、春日大社、元興寺、
薬師寺があり、そこに「特別史跡・特別天然記念物に指定されている資産」である
春日山原始林、平城宮跡が加わったものです。
前回に続き、千年という時の重さを受け継ぎ、今も在りし日の姿を留め旅人を感嘆させる
5つの遺産をご紹介します。

SPOT1 春日大社 Kasugataisha

奈良時代の初めに平城京鎮護のために創建された春日大社。平安時代には皇族や貴族の春日詣が盛んとなり、中世以降には全国に3000社を超える分社が創建されました。20年ごとの式年造替により、朱の柱や白い壁、檜皮屋根の本殿・社殿が修復され瑞々しい姿で甦ります。2月と8月には、参道の石灯籠や回廊に並ぶ釣灯籠すべてが灯される「万灯籠」が行われます。

  • 写真:奈良市観光協会

SPOT2 元興寺 Gangoji

前身は6世紀末に蘇我馬子が飛鳥に建立した、日本最古の本格的伽藍の仏教寺院である法興寺。平城遷都に伴い現在の地に移転されました。かつては南都七大寺の一つとして、広大な寺域に金堂、講堂、塔、僧房が建ち並んでいたといいますが、僧坊の一画のみが現存しています。現在の本尊は、国宝・極楽堂に祀られている智光曼荼羅。 

  • 撮影:矢野建彦

SPOT3 薬師寺 Yakushiji

天武天皇が皇后の病気平癒を祈り、藤原京に創建した薬師寺は、平城遷都に伴い移築されました。金堂、講堂を中心に東塔と西塔の二つの三重塔を配する構成が独特であり、薬師寺式伽藍配置と呼ばれます。数度の火災により焼失し、創建当時の姿を残すのは東塔のみ。奈良時代の高い工芸技術を現代に伝え、「凍れる音楽」と評されています。 

  • 写真:奈良市観光協会

SPOT2 春日山原始林 Mt. Kasuga Primeval Forest

春日大社の山として神聖視され、千年以上に渡って樹木の伐採が禁じられ、カシやシイ類を主体とする常緑広葉樹林の原始林が手つかずのまま広がっています。うっそうと茂った山内にはモリアエオガエル、ヒメハルゼミ、カスミサンショウウオなど珍しい生物が棲息。市街地に近接した原生林は珍しく特別天然記念物に指定されました。

  • 撮影:矢野建彦

SPOT3 平城宮跡 Heijyo palace

近鉄奈良線の大和西大寺駅と新大宮駅の間にある広大な空間が平城宮の跡で、奈良時代に天皇の住居や官公庁が集まっていた場所です。「平城宮跡資料館」では出土品や復元模型が展示され、天皇や貴族、役人たちの暮らしを窺い知ることができます。壮大な朱雀門をはじめ東院庭園、中核施設の第一次大極殿も復元されています。  

  • 写真:奈良市観光協会

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