ジャズ好きにとって、東京は世界でいちばん住んでみたい街かもしれない。毎夜、あちこちのライブハウスで演奏が聴けて、ジャズフェスティバルやストリートジャズも開催される。1975年、吉祥寺にオープンした「サムタイム」はその東京にあっても老舗で、国内外のジャズ・レジェンドから旬な若手まで幅広いミュージシャンが出演し、エキサイティングな演奏と美味しいお酒が楽しめる。といっても、コアなジャズファンだけでなく「ジャズライブ初体験」の人でも女性の「おひとりさま」でも気軽に足を運べる親しみやすさがここにはある。何といってもフードメニューが充実していて、どれも美味しい。朝11時からはランチ＆コーヒータイムで、お昼どきにはランチメニューが人気だ。女性が住んでみたい街ランキングでいつも上位の吉祥寺だが、その理由がこの店にも共通しているような気がした。

ママさんとして慕われる店長の宇根裕子さんは元R&Bのシンガーで音楽の趣味は幅広い。壁にはここでライブ録音されたバーニー・ケッセルのジャケット写真。撮影もまさにこの壁の前で。モヒート￥950、マンハッタン￥800

Photo by Masayuki Katsuno　Text by Kazuhide Miyata